【AI導入が失敗するプロジェクトの特徴】
導入初期段階でコレを気を付けないと、後々誰にも使われないAIが誕生する

記事イメージ

お疲れ様です。堺です。

当社でも、AIや機械学習を中小企業様向けに構築するお仕事がいくつか出てきています。

この様なプロジェクトでは初期段階で、解きたい課題や方向性を議論するのですが、この時点で「この課題への導入はちょっと厳しいかな」、更に言えば「このまま突っ走ると誰も使わないAIが出来上がるな」と勘づく題材の傾向が何となくわかってきました。

そこで今回は、AIを自社ビジネスに取り入れたい経営層、AI導入を指示されたご担当者様向けに、AIを導入するのが難しいビジネスの特徴ということで記事を書いてみます。

この記事の目標:AIを導入しようとしている方が将来失敗プロジェクトにしないよう、初期段階で検討できる材料を提供する

AIによる「予測値」を取り扱う困難度合い

AI導入が計画段階で頓挫する代表的敗因、AIが出す回答が起こす大ハズレを経営的に許容できないケース。これに注意すべきというのが、この記事でもっとも主張したいことです。

現代技術におけるAIは「人間的常識を備えていない」ので、「こんな数値/回答はありえないだろう」と人間なら気づくような答えも、AIは平気で回答してしまいます。

なので、たまに大ハズレを回答してくるけど、それでも問題ないケースではないと、AIを使うのは難しいということです。

失敗しそうな題材を具体例で考えてみる

例えばこんな題材をAIで解決するケース考えてみます。

  • 半年後の需要高を予測するAI
  • 株価や業績の予測するAI
  • 納品する取れ高の個数を画像で予測するAI

一つ目を例にとってみます。将来の需要を予測することは、モノによっては確かに可能です。過去の実績値と、その時の統計や店舗のパラメータなどを拾ってモデルを作れば、ある程度納得感のある予測値は得られるでしょう。

ただ、ここで考えたいのは、その予測値を信じて材料仕入を増減させますか?ということ。

予測より上に外れれば欠品ですし、下に外れれば在庫の山です。

この様に、万が一外した時にリカバリが効きにくい題材というのは、現代のAI技術で解決するのはなかなか難しいのです。

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逆にAIが実際に役立っているのはこういう場面

分かりやすいところでいくと、

  • SNSで規約違反なアカウントを投稿内容から自動検出
  • 家畜の健康不良をカメラ映像から自動検知
  • 顔認証のドアロックシステム

などなど。ポイントは、間違えたとしてもリカバリできる、あるいは後工程で人の判断が入るという点です。

このプロセスをビジネス上設置できるか否かが、AI導入成功の可否を分けると思います。

当社で実際に取り組んだ事例で検証してみる

当社では、レンタルおしぼりの回収数をより正確に集計するため、事業者様と共同でAI導入プロジェクトを進めています。

レンタルおしぼりをスマホ搭載AIで枚数を測定しています(当社開発のiOSアプリのキャプチャです)
レンタルおしぼりをスマホ搭載AIで枚数を測定しています(当社開発のiOSアプリのキャプチャです)

このケースでも枚数測定結果は誤差が出ますし、時には大ハズレが出ることもままあります。

しかしながら、以下の点からこのハズレの影響を吸収しています。

  • 万が一大ハズレが出ても人がその場で気づいて数値を直せる
  • 1回ハズレが出ても、全体として平均すれば無視できる誤差になる

(2点目に関する補足:このプロジェクトでは大まかな状況を把握することで適切な行動を起こすことをゴールとしているので、このような判断が可能になっています。)

この様に実際の事例でも、リカバリプロセスと結果許容が実現されていることがお分かりいただければ嬉しいなと思います。

ご参考:早稲田大学「スマートエスイー」で本件に取り組んだ際の発表スライド
https://smartse.jp/wp-content/uploads/2020/12/201218_bosyu_sakai.pdf

結び:AIをご検討中でしたらぜひご相談ください!

今回はビジネス面での検討要素の一つを紹介しました。しかし、AI導入にあたっては当然その他にも考慮すべき事項は山積しています。

これらも含めて、これからAIを導入したい、実装まで任せられるベンダーを見つけたい、という方。ぜひ当社までお問い合わせいただければ幸いです。

最後は広告っぽくなってしまいましたが、ぜひ今回の内容にも気を付けていただき、革新的なAI導入事例を生み出していただければと思います。応援しています!

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